2012年09月13日

「めだかボックス(17)」読了。



めだかボックス17感読了。
前巻がちょうど第2部完だったんで、17巻から新章突入ですね。

見所はやっぱり安心院さんの必殺技600連発でしょうか。
あの人はあれだね、真正面から戦ったら絶対負けないね。
無敵。

そんな安心院さんを含む「オールジョーカー」の面々が音信不通に。
さあ、善吉の出番です。
生徒会長に就任した善吉は、何だかちょっと落ち着いた雰囲気に。
メガネも似合っておりますな。

めだかを含む行方不明のメンバーには共通の弱点が、という話ですが。
まぁネタバレは控えておきましょうかね。
何とも重大な欠陥があったものです。

そういえば10月にはグッドルーザー球磨川の続編が小説版として出るそうです。
ちょうどその辺の話を二次創作でやろうとしてたのに・・・。
まさかのネタかぶりです。
10月までに書き上げられたら発表しようかなと思ったけど、無理そうだな。
今は「なかはん!」を先に書き上げたいところ。
posted by いずみ at 11:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評/漫画 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月17日

【連作/夏の雨】3.ゲームオーバー

「仕方ないなぁ」

ぼそりとひとり、呟いた。
ひとり、のつもりだった。

「何が仕方ないの?」
「ああ、君か」

何もない暗闇の世界に、もうひとり。
彼女はいわば、もうひとりのぼくだった。
ぼくはひとりではなかった。

「――いやね。ちょっと、世界を滅ぼそうかと思って」
「あら。もう飽きたの?」

『もう』。
彼女にとっては、そんな感覚だろう。
まったく、彼女にはかなわない。

「まだたったの――46億年じゃない」
「そうだね、君の137億年には及びもしない」
「そう思うなら、どうして?」
「うん、まぁ、何だろう。可哀想になっちゃって、さ」
「可哀想?」
「そう、可哀想。
 精一杯生きることも叶わず、かといって死ぬこともできず。
 迷惑をかけるのも嫌で頼るのも申し訳なくて縋るのも忍びなくて。
 小さくてか弱くて優しくて、ぞんざいで残酷で無慈悲で。
 ――人間というのは、どうしてこうも可哀想なのかね」
「・・・あなたは、感情移入しすぎなのよ」
「そうかもしれないね」
「でもまぁ、あなたが決めることだから。あたしは何も言わないわ」
「うん。ありがとう」

そうして彼女は、音もなく去っていった。
あれで彼女は結構忙しいのだ。

ぼくは小さく溜息を吐く。
何だか酷いことをしちゃったかな。
自分で作った箱庭に、自分で作ったお人形。
みんなが楽しくなればいいと思って、作ったのだけれど。
世界はあまりに、悲哀で溢れている。

やがてぼくの溜息は、白く濁り。
薄膜のように、星を覆った。
溜息はやがて雨となり、世界に等しく降りしきる。
あとは、雨の管理人をばらまいて、完了。
ほんの数年で、多分世界は滅ぶろう。

作ってしまって、ごめんなさい。
救えなくて、ごめんなさい。
何もしてあげられなくて、ごめんなさい。

世界は、これで終わりです。
さようなら。

悲哀も、これで終わりです。
おめでとう。

ぼくは少し、休みます。
何だか凄く疲れてしまって。
それじゃあバイバイ。

おやすみなさい。
ラベル:小説 夏の雨
posted by いずみ at 10:25| Comment(0) | TrackBack(0) | 超短編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする

2012年08月16日

【連作/夏の雨】2.melt

私はもう、今日一日のことでさえ、鮮明に思い出せない。

死が近い。

それは私が一番よく分かっていた。
蝕む病魔はゆっくりと、確実に私を壊していく。
縋るべき自我は薄れ、意識は混濁し、夢も志もとうに失った。

はて・・・ならば私は、何をこんなに悲しんでいるのか。
この身の痛みすら漫然と受け流す今、何を嘆く必要があるのか。
そんな、投げやりなことを思う。

例えば。
今朝、私は何を食べただろう。
食は人生における楽しみの代表といえる。
日に三度、その喜びを噛み締めているはずなのだが。
しかし、記憶は曖昧でイメージはぼやけていて、はっきりとしない。
そもそも、私は本当に朝食を食べただろうか?
夢現のうちに、食べたと思い込んでいるだけではないだろうか?
否、思い込んですらいない。
時計を見て、午前9時を回っているから既に朝食は食べたはず、と。
そういう機械的な刹那的な判断を下しているだけではないだろうか?

無機質な病室から、外を眺める。
空は灰色に淀んでいた。
この小さな窓の向こうでは、今も慌ただしく世界が回っているのだろう。
日は昇り、人々は働き、遊び、そして明日を待ち遠しく思うのだろう。
それが何だか、無性に腹立たしかった。
イライラと、私は唇を噛む。
出血するほどに、強く。

ああ、妬ましい。
何が?
平和に生きていけることが。
喜び、笑い、楽しみ、慈しみ合うことが。
私は、実に、妬ましい。
この朽ちかけた身では叶わぬ全てが羨ましく、やがてそれは絶望に変わった。

――死が、近い。

十全に生きたとはとても言えない。
通常の半分、否、3割にも満たない、実に短い人生だった。
だからこそ、未知の幸せ全てが、私を責め立てるのだ。
くだらぬ人生だったと。
つまらぬ生涯だったと。
何も成せぬ、何も残せぬ、何も果たせぬ、一生だったと。

罵る。
見下す。
嘲笑う。

うんざりだ。
ああ、もうたくさんだ。
ガラスの窓にへばりついて、私は小さく呪詛を吐く。

降りだした雨に、世界全てが溶けてなくなればいいのに。
儚い私の記憶のように、消えてなくなればいいのに。

隔絶されたひとりの世界で。
自分以外の全てを憎み。
私は意識を失った。
ラベル:夏の雨 小説
posted by いずみ at 10:49| Comment(0) | TrackBack(0) | 超短編小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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