2012年06月04日

「悲鳴伝」読了。



西尾維新「悲鳴伝」読了。
とにかく分厚い本でした。京極夏彦とかに比べるとそうでもないんだけどね。

まず先に、悪い点から述べていこう。
タイトルが微妙。中身はポップでグロテスクでシニカルなのに、何も表現できてない。
このタイトルで少し損してると思うんだよなぁ・・・。
次に三人称視点が微妙。まさに神の視点で描かれてるんだけど、神様過ぎて鼻につく。
先の展開を知ってるよ、けど教えてやらない。みたいな空気がちょっとウザい。
そして、ストーリーの大きな要素である問題を、割と投げっぱなしで終わっちゃう。
これ人によっては納得のいかない終わり方なんじゃないかなぁ。

と、先に悪いところを述べてみました。
ぶっちゃけ、これらの悪い点はどうでもいいくらい面白い。
いいところ、凄いところがぶち抜けてる。

何せキャラが魅力的。
西尾維新作品だから、キャラがいいってのは当たり前になりつつあるんですが。
それにしても、今回は魅力的なキャラが多数出てきてしかもそれがストーリー上不可欠。
基本的にみんな病んでます。頭がだいぶアレ。
そんな中で群を抜いてアレなのが主人公、っていう。
感情移入できるギリギリの範囲の異常。実に上手い。
感情移入して読み進むと、急に突飛なことをしでかして、やっぱ感情移入できないんじゃね?
みたいな感覚に陥る。それが楽しい。
特に、必殺・グロテスキックが最高でした。いや、最低でした。
かっこいい!

そしてストーリーそのものも、実に魅力的。
グロテスク、という言葉が一番ハマるかな?
基本的なひとつひとつのアイデアは、結構普通なんですよ。
地球の悲鳴で人類が滅びかける、とか。
主人公のスーツ・グロテスクは透明になる能力だ、とか。
破壊丸、切断王などの超科学武器、犬に擬態した左在存とか。
どれも、凄い着想だってことはないんです。
でも、それらをひとつにまとめ上げ、書き上げる筆力に感服せざるを得ない。
子供の発想と大人の筆力をあわせ持ったような、とんでもない作品になっています。
随所に散りばめられた風刺、ブラックユーモアも世界観をより深めていますね。

そんなわけで、非常に面白かったです。
個人的に西尾維新最高作。
これは、ファンならずとも読んでおくべきだと思います。
posted by いずみ at 11:11| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評/小説 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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